愛知県立芸術大学

愛知県立芸術大学は、東海地方に住む美大志望の学生の多くが目指す公立の芸術大学。日本画、油画、彫刻、デザインなど多くの美大に設置されている美術系学部だけでなく、愛知特産の「瀬戸物」について学ぶ陶磁専攻があるなど、設置学科にも独自色を出しています。

愛知の瀬戸物について学べる公立芸大

愛知が生んだ芸術文化の拠点として、国際的に開かれた芸術文化の核になることを目指す愛知県立芸術大学。2016年で創立50周年を迎えました。

五美大ならぬ「五芸大」の1つであり、ここを目標とする学生もかなり多くいます。学部から大学院までの一貫した教育研究体制により、芸術分野で活躍する優れた人材を輩出しています。

中でも特徴的なのが、私達の生活に欠かせない身近な工芸デザインである「陶磁」専攻です。

全国的に名高い「瀬戸物」は愛知県瀬戸市の特産品。そのほか、常滑、美濃など有名な陶磁器の産地が数多く県内にあることから、他の美大では中々見かけない陶磁専攻が生まれました。

2年次までは基本的な造形力や発想力を身に付けるカリキュラムが組まれ、3年次からは陶芸と陶磁器デザインの2コースに分かれ、陶磁の可能性と表現の自由を追求していきます。

卒業後は大学院や海外の大学への進学(学部生の約40%)、美術館や博物館の学芸員や教員になる方(約5%)、芸術関連の職業につきクリエイター・デザイナーとして活躍する方(約30%)もいるなど、活躍の場は多彩です。

主なコース

美術科(日本画専攻)

1・2年次は、日本画の表現に必要な基礎技法を学びます。動植物や風景などの課題制作を行い、絵具・筆・膠(にかわ)、紙などの材料について学習。古典衣装を模写することで、日本画独特の線描表現や色彩、技法を習得します。

3年次では、基礎の応用制作を実践。古美術研究旅行では、墨・絵具・紙の製造現場を見学し、材料についてより知識を深めます。また仏閣へ足を運び、障壁画の伝統表現についても学びます。4年次は、予備制作と卒業制作を実施。卒業制作は150号の自由制作で、卒業制作展に展示されます。

美術科(油画専攻)

油画専攻は教員の人数が多いのが特徴です。生徒25人に対し、教師は12名体制で指導。1年次では油画を中心に、空間表現、技法材料、版画研究、壁画研究などの実技を習得します。2年次は選択型の授業となり、自分で選んだ講座を通して知識と技術を深めます。3年次は教員を自由に選ぶことができ、対話とともに制作を仕上げていくチュートリアル授業、講評週間など実施。4年次も同じく教員を指名し、卒業制作に向けて実技を追求していきます。

美術科(彫刻専攻)

立体表現を主に学び、アーティストや芸術教育、研究者などを目指します。1・2年次は、塑像(そぞう)・金属・木彫・樹脂・石彫・造形・テラコッタなどの実技と理論を学びます。3・4年次は、基礎の応用を中心に個別指導を実施。海外で活躍する作家や評論家による講義も受けられます。

美術科(芸術学専攻)

1・2年次は、日本美術史・西洋美術史などの美術理論の基礎を学び、研究のベースを作ります。日本美術史特講・研究や、西洋美術史特講・研究、現代アート論特講・研究、文化財学特講などの特別講義を受講することで、研究の幅が広がるでしょう。

2・3年次合同で行う古美術特別研究では、京都・奈良の博物館や古寺に残る日本の伝統芸術に触れます。3年次はゼミ形式で、各領域の研究授業や特講授業、文化財保存修復研究などの専門性の高い授業を実施。文献研究や学外調査研究を通して、4年次の卒業研究に向けての取り組み方や方法論などを学びます。

デザイン・工芸科(デザイン専攻)

1・2年次で基礎知識やデザイン理論、方法などを習得します。2年後期からは、複数の課題の中から自由に選択可能。基礎造形や基礎デザインから専門実技まで、幅広い学習を行い、デザイン業界で活躍できる人材を育成します。

デザイン・工芸科(陶磁専攻)

1年次で陶磁器制作に必要な基礎造形力を身につけ、2年次では基礎技法について学習します。3年次からは陶芸コースとセラミックデザインコースのどちらかを選択し、それぞれの制作を行います。

著名な卒業生

兼元謙任(OKWave創業者)、奈良美智(現代美術家)、楚里清(日本画家)、秋田道夫(プロダクトデザイナー)、雑賀雄二(写真家)、丸山もも子(デザイナー・イラストレーター) など

取得可能資格

教員免許(美術)、学芸員

卒業生の主な進路先

愛知県立芸術大学の卒業生は、芸術家やデザイナー、教育者など、多方面で活躍しています。

美術学部の卒業生の47%が就職し、32%が進学しています。その就職先企業を以下にまとめました。

就職先一覧

  • 株式会社日立製作所
  • パナソニック株式会社
  • 株式会社朝日新聞社
  • ヤフー株式会社
  • ダイハツ工業株式会社
  • 株式会社ノリタケカンパニーリミテド
  • 株式会社サンゲツ
  • 株式会社学研教育出版
  • 株式会社カプコン
  • 株式会社アシックス
  • 株式会社エポック社
  • 株式会社バッファロー
  • 鳴海
  • 製陶株式会社
  • 株式会社スペース
  • 石塚硝子株式会社
  • 株式会社電通クリエーティブX
  • 株式会社イマジカデジタルスケープ
  • 株式会社新東通信
  • 兵庫県立美術館
  • 愛知県陶磁美術館
  • 瀬戸市文化振興財団
  • 愛知県立高等学校

募集要項

平成31年度の入試概要

検定料:17,000円

募集定員 志願者数 受験者数 最終合格者数 倍率
美術科(日本画専攻) 10

111

92 12 11.1
美術科(油画専攻) 25 182 152 26 7.3
美術科(彫刻専攻) 10 64 57 10 6.4
美術科(芸術学専攻) 5 9 8 6 1.8
デザイン・工芸科
(デザイン専攻)
25 262 201 25 10.5
デザイン・工芸科
(陶磁専攻)
10 29 25 12 2.9

入試科目

大学入試センター 必須科目 選択科目
全学部共通 - 国語、数学、外国語から2教科
地歴・公民、理科から1教科
各教科200点
合計600点
個別学力試験 内容
美術科(日本画専攻) 実技(1次:石膏素描/2次:水彩画)
美術科(油画専攻) 実技(1次:素描/2次:油画又は水彩画)
美術科(彫刻専攻) 実技(素描、塑造)
美術科(芸術学専攻) 1次:地理・歴史、英語/2次:実技(素描)、小論文、面接
デザイン・工芸科
(デザイン専攻)
実技(描写・色彩構成・立体構成)
デザイン・工芸科
(陶磁専攻)
実技(描写・色彩表現)

学校所在地

愛知県長久手市岩作三ケ峯1-114(東部丘陵線(リニモ)、芸大通駅より徒歩10分)

愛知県立芸術大学の過去問再現作品

愛知県立芸術大学の過去問再現作品001
引用元:ask京都アートスクールHP
https://www.artschool.co.jp/top/saigen/kokkou.html

ユニオンジャック柄の布と棚、フランスパン、蛍光灯、ビー玉の4つのモチーフを描いたデッサンです。考え抜かれたコントラストと空間。一つひとつのモチーフが丁寧に表現されています。

愛知県立芸術大学の過去問再現作品002
引用元:ask京都アートスクールHP
https://www.artschool.co.jp/top/saigen/kokkou.html

薄い紙で立体アートを作り出すペーパークラフトです。計算されたカーブと傾斜。切り抜かれた内部の空間も、うまく表現されています。

愛知県立芸術大学の過去問再現作品003
引用元:千葉美術予備校 美大受験Blog
http://chibabi.seesaa.net/article/394884770.html

石膏像のデッサンです。繊細なタッチで、かつ濃淡が抑えられていて、光の当たり具合もよく描かれています。

愛知県立芸術大学の過去問考察

素描の実技試験では、基本的な描く力と表現力が試されます。油画専攻では、構図や色彩感覚などの絵画制作に欠かせない能力と、表現力が評価される傾向にあります。モチーフをしっかり観察し、画面を作る創造力が必要です。

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