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大学に現役で合格できなかった場合、高卒生や浪人生という言葉で呼ばれるようになります。本当は現役で合格したかったはず。でも、浪人してから大学受験をすることは、そんなに悪いことではないのです。
ここでは浪人して受験する人の割合やあきらめなかった人たちの体験談を紹介します。
美術大学を受験する浪人生の割合は、現役で受験を受ける高校生に比べて減少しています。2006年度の統計では浪人生と現役生の比率はほぼ半分程でしたが、2013年度には現役生が3分の2を占めるほどになりました。この背景には少子化が関わっているといわれていますが、それだけではありません。美術大学の試験は美術だけではなく、国語や英語の試験もあります。そのため、国語や英語の授業を受けている現役生に比べて浪人生は知識の面で劣ってしまうという傾向にあるようです。
浪人生と現役生では大きな違いはありません。受験の際に国語や英語など、現役生が授業で学んでいる知識に関しては現役生のほうが勉強時間が長い分、有利な可能性もあります。その代わりに浪人生は美術のスキルを磨くことができます。実際に、浪人生の作品を目の当たりにした現役生が実力差に驚くことも少なくありません。結局は受験までの間にどれだけの知識や技術を修得してきたかによるのではないでしょうか。
現役生、特に高3が行う受験対策は、基礎固めと技術力、知識力の向上です。浪人生も同じように技術力と知識力を身につけますが、美術大学への進学を見据えつつも、美術やデザインの現場で活きる、より実践的なテクニックを学ぶことが多いようです。
美術予備校に通っても浪人生になってしまった場合、予備校を変えるかどうかはそのとき次第といえます。在籍したまま浪人生のクラスに移って合格をめざすのも一つの手ですが、そのカリキュラムが合わない場合もあるでしょう。その際には、無理をして同じ美術予備校に通おうとせずに、ほかの予備校に移るというのも受験対策の一つになりえます。「この予備校、合わないな」と感じたら、ほかの美術予備校も検討してみてください。
浪人することが決まったときにショックを受けた人も大勢いることでしょう。しかし、それで嘆いている時間はありません。浪人生になってからの時間も、勉強と技術習得の連続。もしかしたら現役生の頃よりもスキルアップした状態で美術大受験に望めるかもしれないのです。そうしたら合格する確率も上がりますよね。浪人生になったからといっていつまでも悔やまずに、次のチャンスのための準備期間だと思って、大きな力を蓄えておきましょう。