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ビザンティン美術

ビザンティン美術とは

ビザンティン美術とは5~6世紀頃から展開した、東方キリスト教世界を描いた美術です。ビザンティン美術の根底には初期キリスト美術があり、ビザンティン帝国の首都であるコンスタンティノポリスを中心に発展。ササン朝ペルシアの美術やヘレニズム美術の影響を受けて様式が変化しました。精神的な抽象性や色彩の鮮やかさ、金地の装飾などがビザンティン美術の特徴として知られています。

ビザンティン美術の分野は多岐に渡り、教会建築や壁画、聖画イコン、彩色写本挿絵、象牙や金銀細工、七宝などさまざま。イコノクラスムの影響を受けて神像が作られなくなり、図像の抽象化が進んだのも特徴の一つです。これまでの美術を再吸収しながら、新たにビザティン様式と称される美術が形作られていきました。

ビザンティン美術は、古代ヘレニズム美術に見受けられた自然主義的様式と、抽象的で静止的な、荘厳さが魅力の東方様式との両方を取り入れた様式です。ビザンティン帝国は15世紀に滅亡してしまいますが、それまでの間、控えめながら洗練された精密な感情表現が一世を風靡します。

なお、ビザンティン美術はヨーロッパの中世美術にも大きな影響を与えた様式であり、ローマ、ヴェネツィア、シチリアがその拠点となりました。アトス山を代表に、各地の修道院において現代まで受け継がれている美術様式です。

ビザンティン美術の代表作

ビザンティン美術の代表作として、「アギア・ソフィア大聖堂」があります。アギア・ソフィア大聖堂はドーム式バシリカという建築様式で建てられており、この建築様式は主に首都やエーゲ海地域で賑わいました。しかし、実際に建築するには高度な技術が必要だったため、あまり広くは普及しなかったようです。

また、アギア・ソフィア大聖堂の壁には「キリストと皇帝」というモザイクが施されており、モザイクもビザンティン美術の要素の一つ。色石を砕き、その欠片を壁に埋め込んで絵を描きました。他にも、「キリストのイコン」も代表作です。イコンとは宗教的な礼拝像のことであり、上記の作品は6世紀後半に制作されました。

ビザンティン美術の技法

モザイク

教会の壁に飾られることが多かったモザイク画。ガラスの破片をいくつも集めて模様をつくる技法です。イタリアのラヴェンナやシチリア島の大聖堂でもモザイクは流行し、特にラヴェンナには「モザイクの都市」と呼ばれるほど多数の遺産が残っています。

フレスコ画

フレスコ画は壁に直接絵を描く技法のことであり、背景が金色なのが特徴です。輪郭がはっきりとした絵に仕上がります。

イコン

ビザンティン美術が栄えた6世紀は、キリストを想像して描くイコン画が豊富に作られました。イコン画は肖像画であり、描かれる目的はイコン画を通じて神を崇拝することでした。

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