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画版(カルトン)は、デッサンのときに欠かせない道具の一つで、画用紙の下に敷いて使うものです。
画版(カルトン)があると、絵を膝の上に立てたり、机の上に斜めに立て掛けたりと自分の好きな姿勢をとれるので、デッサンがしやすくなります。
デッサンの最中は、どうしても近い距離から絵を見ることになるため、細部に意識が集中してしまうもの。そこで、時折絵から離れて全体を確認する必要があるのですが、その際デッサン画用紙を机の上に置いてしまうと、少し延びた状態に見えてしまい、正確なデッサンに仕上げることが難しくなります。画版があれば、デッサンを床や机の上に斜めに立てかけて見ることで正面から距離をとっての確認ができるため、修正点を把握しやすくなるのです。
画版を立てすぎたり寝かせすぎたりすると、画用紙に奥行きが出てしまいます。その結果、モチーフの形が取りにくくなり、歪みが生じる原因に。デッサンを行う際は、目線と画版の平面が垂直になるよう調整する必要があります。
画版と目線の正しい位置を常に意識することは難しいかもしれませんが、度々チェックして、デッサンに歪みが生じていないか確認する癖をつけましょう。
デッサンの際に画用紙が画版からズレ落ちるのを防ぐために、目玉クリップや洗濯バサミなどを使う人も。
ただ、画用紙を何度も回転させながらデッサンを仕上げる方には、そのクリップが邪魔になることもあります。画用紙をクリップで留めるか否かは人それぞれですので、自分のやりやすい方法を試してみましょう。
美大の実技試験では、画用紙を使った立体構成が出題されることがあります。その場合カッターで画用紙を切る必要がありますが、カッティングシートを用意していなかったり、忘れたりしたときに、代用できるのがこの画版。
ただ、デッサンをする際に影響が出ないよう、画版の表面を極力傷つけないように注意しましょう。
画版は、軽くて多少力を入れても曲がらない程度の固さのあるもので、耐久性の高いものを選ぶことが大切。湿気に強く、長く使えるものが理想です。紙製、プラスチック製、木製など材質も様々で、サイズは、全判・中判・四ツ切などがあります。用途に合わせて選びましょう。