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宗教画とは、宗教上の目的のために描かれた絵画のことです。宗教に関する人物や礼拝の様子、宗教に関する逸話などが描かれており、特にキリスト教における聖書のワンシーンや登場人物がよく描かれます。
その昔、庶民は文字の読み書きができないのが当たり前で、書物だけで宗教を伝えるのは困難でした。
読み書きができない人にも理解できるよう、教会が画家に対して絵画を注文したことがはじまりと言われています。
宗教画の見方を知っておくと、西洋美術を見る目やイメージが変わります。さらに描かれた絵の意味が分かると「面白い」と感じるようになりますので、ぜひ楽しむポイントを知っておいてください。
西洋美術における宗教画は、聖書の世界をテーマにした絵画がメインです。ネットなどで絵画について調べて、どの登場人物が描かれているかを知りましょう。
次に、登場人物が何をしている場面なのかを観察します。これも絵画の題名を調べれば、描かれた場面の詳細について解説を探せます。
登場人物と描かれた場面について知識を身につけたら、どのように表現されているのかを観察してみましょう。登場人物がいる場所や着ている衣装、描かれた建物の床や柱の模様など、細かいところの描かれ方を見ていると、聖書との関連性を知ることができます。
美術館や本などで多くの宗教画を観察していると、人物や背景など、宗教画のパターンが徐々に分かってきます。ぜひ多くの作品にふれてみてください。
宗教画は、主に聖書の内容を伝える目的で描かれた、いわば「目で見て理解する聖書」です。それに対し、神話画は神話のストーリーや歴史を伝えるために描かれている点で異なります。
西洋美術において、特に宗教画や神話画に出てくる羽根の生えた人物。これらの違いを知っておくだけでも、宗教画や神話画がさらに面白くなります。
主に宗教画に描かれている羽根の生えた人は「天使」です。
それに対し、神話画で羽根の生えた弓矢や矢筒、松明を持った人やヴィーナスとともに描かれる羽根の生えた人は「キューピット」と言われます。
天使やキューピットと聞くと「子供」をイメージする人が多いと思いますが、時代や画家の解釈によるもの。男性的になったり女性になったり、子供になったりとさまざまです。
また、宗教画にも神話画にも登場する、羽根の生えた子供。たくさん描かれていれば、それは「プットー(もしくはプッティ)」と呼ばれます。神話画で何も持っていないなら、それはキューピットではなくプットーです。