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立川美術学院は「学科の立美」とも言われ、美術の指導だけでなく学科指導が非常に手厚いことで有名な美術予備校。また、少人数制+講師3名の手厚い指導スタイルで予備校の枠を超えたレベルの厳しい指導を受けるため、大学やその先でも総じて「たくましい」と評判です。
引用元:立川美術学院
http://www.tachibi.com/
「立美」の愛称で親しまれている立川美術学院は、現役生の合格も多い美術予備校。主に多摩美術大学(多摩美)・武蔵野美術大学(ムサビ)など私立美大を目指す方が中心ですが、毎年数名は東京藝術大学(藝大)に合格しており、総合力の高さにも定評があります。
2018年は、多摩美の油絵科に13名が合格。ムサビの油絵科には16名(油画専攻14名、版画専攻2名)が合格しています。このほか、有名大学の日本画科や彫刻科、デザイン・工芸科などにも多数の合格者を輩出しており、現役合格者の喜びの声も届いています。
学力を伸ばすことができる
実は美術予備校として初めて学科の授業を導入したのは立美であり、「学科の立美」などというキャッチフレーズがつくほど。昼間部は朝8時からスタートする朝学科、模試の結果をオープンにして掲示など、美術ばかりに注力しがちな予備校生活でもきちんと学力を高められる仕組みが整っています。また、現役生も効率の良い学習法を学べるほか、徹底した小論文指導、1:1の添削対話指導など、幅広くフォローしてくれる学習システムが組まれています。
手厚い指導が魅力
美術面での指導も手厚く、講師3名(ベテラン+中堅+若手美大生)で12名~15名を見ていくシステム。若手が大学から仕入れてくる最新の情報を元に、ベテランが方向性を決定。中堅は調和を図り学生の精神的フォローをする、という完璧なチームワークが成立しています。そのため生徒の資質をしっかり引き出し伸ばすことができるんですね。また、わからないことをすぐに質問できるため、先生と生徒の距離が近く、親身になってくれるといった声もよく聞かれます。
年に数回はビッグなアーティストを招いた講演会を実施したり、9月に大作を披露する立美祭があるなど、イベントも沢山。学力と美術力をしっかり培いながら、やる気も高めていく。そんな授業を受けられるのが立美の魅力です。
入学金:30,000円
コース | 授業日程 | 費用(税込) |
---|---|---|
油画コース 日本画コース 彫刻コース デザイン・ 工芸コース |
昼間部 月~土(9:30~16:00) |
615,000円 |
夜間部 月~土(17:00~20:00) |
415,000円 | |
美術系国公立大学 受験コース |
土日(10時間/週)★ | 280,000円 |
美大英語 | 昼間部 週3回(8.5時間/週) |
195,000円 |
夜間部 土or日(5時間/週) |
195,000円 | |
美大国語 | 日(約3時間/週) | 63,000円 |
基礎科 基礎デッサン力 養成コース |
月~土(18時間/週) | 415,000円 |
基礎科 総合入門コース |
週3回(9時間/週)★ | 272,000円 |
※ 上記は4月スタートの学費となります。
※ ★がついているコースは少ない時間数も選択可能です。
ここで紹介した以外にもコース・時間の選択肢があります。詳細は立川美術学院のホームページをご確認ください。
立美の先生・友人がかけてくれた言葉は、私が見ただけでは気がつかなかったことを沢山教えてくれました。中でも「面白いものを思いつくことよりも、どう伝えるか、それが伝わりやすいかを重視すべき」という言葉は私の制作の軸として大切にしています。立美は先生も生徒も温かい雰囲気で、ふざけた話から真面目な話までできる、居心地の良い場所でした。
足掛け4年も美術学校に通ったので、高3の秋ぐらいからデッサンに飽きてきて…先生にも見透かされてしまいました。当時は受験向けの平面構成を描いてばかりでしたが、「自分が好きな絵を描けば良い」というアドバイスを受けて、絵の研究から再スタート。するとドンドン絵が好きになり、描くのも楽しくなってきました。入試では100%落ちたと思いましたが、補欠でギリギリ滑り込めました。
デッサンも平面も弱いといわれ、「メインを作る」というアドバイスを貰い実行。それでもまだ押しが弱い私の絵…どうしたら良いのか、講評ノートにびっちりアドバイスを書き込み「メインのさらにメインを作れ!」を実践してみたところ、徐々に絵が変わってよくなってきました。講師の方々による精神面のサポート、的確なアドバイスがなければ1浪では済まなかったと思います。
大学受験に落ちてしまい浪人が決まったときに、友人の紹介で立川美術学院のことを知りました。朝から授業があって、学科に力を入れているのに魅力を感じたんです。実技の勉強もしながら学科も伸ばせるのはとても良いと思います。授業の進め方も明確で効率が良いので、学習したことがすぐに身に付いている感じです。
はじめは美術予備校に入るつもりはなかったのですが、周りが予備校でぐんぐんと力を付けていくのを目にしてから焦りを覚え、親に頼み込んでタチビ夜間部に入りました。みんなとても上手くて焦りは募るばかり。失敗したくない…描ける人がうらやましい…そんな考えに支配されていた時期もありました。それでも食らいつくように描き続け、タチビで過ごした日々は確実に血となり肉となりました。あと1年通いたいと思えるほど、恵まれた環境でした。
大学では授業や就活など、さまざまなことに気を取られる生活なので、タチビで絵にどっぷりと浸かった日々は本当に貴重だったのだなと思います。合格者の話を聞くと「楽しかった」という意見も多くて、浪人している自分には信じられず、「試験なんて緊張するばかりで、楽しむなんてとんでもない」と思っていました。けれど、いざ当日になってみると、タチビのアトリエとは違うピリッとした緊張感の中で一種の高揚感を覚え、確かに描くことを楽しんでいました。ここまで遠回りをしてしまいましたが、それでもしっかりと前を向いて進んでゆきたいです。
引用元:立川美術学院(http://www.tachibi.com/kakuka-new/saigen/2008/abura/index.htm)
デッサンをするにあたって避けては通れないのが、石膏の胸像というモチーフ。複雑な造形をしっかりと観察し、正確に写し取る練習に最適です。いつも目にする「人」というモチーフだからこそ、「こうなっているだろう」という思い込みを捨てた正確なデッサンが求められます。
引用元:立川美術学院(http://www.tachibi.com/kakuka-new/saigen/2008/abura/index.htm)
立川美術学院のデッサンで多く取り上げられるモチーフのひとつが、ぐちゃぐちゃにしてたくさんの折り目をつけた「紙」です。折り目の一つひとつが複雑に陰影を作り出すので、影を表現する練習にぴったり。この作品は紙のパリッとした質感まで丁寧に描いています。
引用元:立川美術学院(http://www.tachibi.com/kakuka-new/saigen/2008/abura/index.htm)
花や果物といった静物画も、立川美術学院ではよく描かれるモチーフのようです。ここでは、ミカンの皮というやわらかく、細かな凹凸のあるモチーフを取り上げています。皮の表面と裏面の質感の違いがしっかりと描かれている作品です。
引用元:立川美術学院(http://www.tachibi.com/kakuka-new/saigen/2008/abura/index.htm)
「鳥」をはじめとする動物もまた、デッザンに使われやすい題材。この構図は、固くつややかな木製の台、ふわふわの羽毛、向こう側に見える窓ガラスの透明感など、多くの質感を描かなければならない、難易度の高いデッサンです。
引用元:立川美術学院(http://www.tachibi.com/kakuka-new/saigen/2008/abura/index.htm)
窓越しに青空を見ている構図です。ぼんやりとした雲の表現が難しい「空」と、遠近感を正確にとらえないと歪んでしまう「室内」は、技術力が問われるモチーフ同士の組み合わせ。このように表現が難しいデッサンをこなせば、確実に力をつけられるでしょう。
デッサン体験ゼミ
日 10:00~16:00
立川美術学院では、1日無料体験ゼミを実施。色彩構成や着彩、塑造(そぞう)など、各アトリエで行なわれている授業を体験できます。立川美術学院の学生たちが受けている授業に参加できるので、授業内容はもちろん、美術を学ぶ雰囲気を体感できるでしょう。ゼミで使用する道具は必要があれば貸し出してくれるので、手ぶらでの参加も可能。授業外の時間では、疑問点や芸大受験に関する不安要素を講師に相談できます。さらに、美大を出たあとはどんな就職先があるのかについても教えてくれるため、将来についての相談ができるのも魅力です。
立川美術学院では、さまざまな分野の知識を取り入れるための取り組みが行なわれています。立美祭では、自分の作品を展示するだけでなく、講評会も開催。講師によって選ばれた作品について学生と講師が討論することで、作品について深く考える場を設けています。
学生からは「普段はあまり話す機会のない他分野の先生や学生の意見を聞けるので、今後の制作に活かせる」と評判です。そのほかにも、立川美術学院では「合同&交換週間」を不定期で開催しています。一方向だけでなくいろいろな視点や考え方を持つため、自分には足りていない見方や価値観を深めてもらうための取り組みです。「制作の幅を広げたい」という方にピッタリのイベントが立川美術学院では行なわれています。
アクセス | 東京都立川市錦町1-5-17 (JR各線 立川駅南口より徒歩5分) |
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設置科 | ■ デザイン・工芸科 ■ 油絵科 ■ 彫刻科 ■ 日本画科 ■ 映像・先端芸術表現科 ■ 建築 ■ 美大学科 ■ 美術系国公立大学受験 ■ 通信教育 -------- ■ 高校1・2年生基礎科 ■ 中学生基礎科 ■ 美術系高校中学生受験 |
立川美術学院の講師は、展覧会や個展を頻繁に開催している現役の作家。現役作家ならではの美術に対する思いが指導カリキュラムにも活かされているそうです。
授業は、指導歴20年以上のベテラン講師と5年以上の講師歴をもつ中堅の講師に加え、現役美大生講師でチームを組み行われています。最新の情報や技術を勉強している美大生講師の指導も受けられるのも魅力の1つです。以下に学生講師の一部を紹介します。
・デザイン・工芸科
山口眞央(多摩美術大学 グラフィックデザイン学科 在学中)
手島亜厘沙(武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科 在学中)
芹澤大輔(東京藝術大学 デザイン科 在学中)
青木美緒(多摩美術大学 グラフィックデザイン学科 在学中)
玉川聖子(東京藝術大学 デザイン科 在学中)
関根芽衣(東京藝術大学 デザイン科 在学中)
高野暢(多摩美術大学 グラフィックデザイン学科 在学中)
村野夏海(武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科 在学中)
・油絵科
太田茜(東京藝術大学 油画専攻 在学中)
瀬尾侑之(東京藝術大学 油画専攻 在学中)
波多野絵美(東京藝術大学 油画専攻 在学中)
・日本画科
諸橋花野(東京藝術大学 絵画科卒業、東京藝術大学大学院 絵画専攻 在学中)
鈴木佑斗(東京藝術大学 絵画科日本画専攻卒業、東京藝術大学大学院 絵画専攻 在学中)