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漫画家を目指すには、何より「描きたい!」という思いが大切です。その上で、必要なスキルを磨き、魅力的な作品を描き続けなければなりません。ここでは、デビュー方法から、仕事内容、収入まで、漫画家を目指す方に知っておいてほしいことをまとめています。
王道の漫画家デビュー方法は、「新人賞への応募」と「出版社への持ち込み」です。新人賞へ応募する場合は、出版社に直接出向く必要がないため、地方在住の方でも参加しやすいでしょう。
一方、出版社へ作品を持ち込む場合は、アポをとって実際に出版社へ伺う手間はありますが、編集者と一対一で話ができるため、たくさんのアドバイスを得られやすいです。持ち込んだ作品が見込まれれば、新人賞へ回してくれたり、担当編集者がついてくれたり、次のアクションへつなげやすくなります。
また、漫画家のアシスタントとして技術を磨くうちに編集者とのコネができ、デビューを果たしたという人もいます。
その他、同人活動やSNS、学校を通じてデビューするケースもあります。
中でも漫画のストーリー作りや画力の鍛錬、コネ作りにおすすめなのが、専門学校や美大の漫画コースなどで学ぶことです。学校ではプロの漫画家講師が指導を行うので、技術や知識の習得も早く、出版社との繋がりもあるため、デビューへの近道になります。
漫画家になるには、「画力」は必須です。人物の表情や体の動き、背景など、漫画にインパクトを与える表現力は、美術を学ぶことで習得できます。
画力が認められれば、漫画家の仕事と並行してイラストの依頼が来ることもあるでしょう。
漫画家には、画力だけでなく、読者を感動させるストーリーやセリフが作れる能力が必要です。ストーリー作りに欠かせない起承転結や語彙力は、学校の国語の授業で学べます。
漫画の物語を作る際に、地理や歴史の知識があると、よりリアリティのあるアイデアが出やすくなります。歴史ものや現代社会を題材にした物語に読者を引き込むためには、矛盾がないことが重要です。プロットを作る際はそうした矛盾に気付けるよう、基礎学問として地理や歴史を学んでおくと良いでしょう。
漫画家になるには、画力があることはもちろん、想像力や構成力などのスキルが備わっていることが望ましいです。さらにデビューを叶えるには、運も必要。漫画家としての実力だけでなく、良い担当編集者と知り合えるかどうかも重要です。
近年は、デジタル漫画家としてデビューする方も増えています。今後、データで入稿を求められることがないとも言い切れません。必須というわけではありませんが、Webでのデビューを考えている方は、漫画を描くデジタルツールの習得も必要でしょう。
漫画家になるには、漫画に対して情熱を持ち続けられるかがポイントになります。常に机に向かい、漫画を描き続けなければなりません。漫画のアイデア出しからプロット作り、ネーム、ペン入れ、トーン貼りなどの漫画を描く一連の作業が苦にならない人が、漫画家に向いているといえます。
もちろん、表現力や画力のある人、創造力や個性が発揮できる人も、漫画家に向いているでしょう。
漫画家の基本的な仕事は、出版社から依頼を受けた漫画を、締め切りまでに描き上げて提出します。描く内容によって作業も異なってきます。提出した作品に変更や修正する箇所がある場合は、加筆作業を行います。
基本的な流れは、まず物語のアイデア出しに始まり、そのネタをプロットにまとめます。それを元にネームに描き起こし・下書き・ペン入れ・ベタ塗り・トーン貼りなどの作業に移ります。
完成した漫画作品を依頼主に納品した後も、修正点を指摘されれば修正を加えます。その後も複数回、修正を繰り返す場合もあります。
漫画の作成作業を全て手作業で行っていた時代には、人手が足りずに、何日も徹夜で作業を行うのが普通でした。しかしパソコンが普及している現在、漫画家の作業効率も格段にアップしています。
ただ、週刊雑誌への連載を持っている漫画家は、毎週20ページ程度を描き続けるため、一週間のほとんどが仕事で埋まってしまいます。
連載を長く続けるには、面白い作品を描き続けることはもちろん、スケジュールや体調の管理も心がけることが大切です。
漫画家には、原稿を納品したときに依頼主から支払われる「原稿料」のほか、単行本になって売れた分の「印税」、その他、アニメ化やゲーム化、グッズ販売などから「ロイヤリティ」が得られることもあります。
漫画家には週刊・月刊への連載のほか、パソコンやスマホ、タブレット端末向けの電子漫画や携帯漫画、漫画広告や同人誌など、さまざまな仕事があります。
最近は、電子書籍を扱う会社も増えており、漫画家を募集する企業も多くなっているようです。
以前は、漫画家になりたいと考えたときに思い浮かぶ進路は「専門学校」が一般的でしたが、最近は、漫画学科を設置している「美大」も存在します。ストーリー漫画やキャラクターデザイン、アニメーションなど、複数のコースを設置している大学もあります。
以下のページでは、美大の漫画学科について詳しく解説しているので、合わせてチェックしてみましょう。