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ねり消しゴムは、デッサンに欠かせない道具の一つ。プラスチック消しゴムのような固形ではなく、粘土状の消しゴムです。線や陰影を薄くするなど、濃淡を表現するときに使います。
ねり消しゴムは粘土状のため、自由に形を変えられ、紙を傷めにくいといったメリットがあります。その反面、力を入れづらく、鉛筆の粉をキレイに消せないといったデメリットもあります。
また、自分を削りながら線を消すプラスチック消しゴムとは違い、ねり消しゴムは、鉛筆の粉を取り込むことで線を消していくという特性があります。使うほどに黒くなっていくため、必要な分をちぎって使います。
ねり消しゴムの特性をうまく生かすことで、デッサンの上達にもつながるでしょう。
新しいねり消しゴムは少し硬めですが、使いやすい大きさにちぎって、指で揉んでこねるようにすると、柔らかくなります。
ねり消しゴムは硬いまま使うこともあるため、ちぎって使う用とは別に、もう一つ用意しておくと良いかもしれません。
鉛筆で塗った後に、ハイライトや照り返しを入れる際に、ねり消しゴムを使います。鉛筆の粉を拭うように、ねり消しゴムを動かしましょう。細いラインのハイライトを入れたい場合は、丸めたねり消しゴムの先を潰して平らにし、その平らな部分の先端で消します。使いたい場所に合わせて自由に加工してみましょう。
ねり消しゴムを使う度に、描いた鉛筆の粉が薄くなっていくので、明度の微妙な表現が可能になります。
ねり消しゴムを使ってハイライトをうまく入れるコツは、平らに潰す部分に少し厚みを持たせることです。
ただし、鉛筆で塗る際に、あまり筆圧を強くせず、軽く塗っていることが前提です。紙に凹凸ができるくらい強い筆圧で描いた線は、ねり消しゴムで消しにくいため、鉛筆は軽めに持って、書くというよりも鉛筆の粉を乗せていく感覚で描くのが基本です。
ねり消しゴムは、鉛筆で塗った部分を消すだけでなく、余分な粉を取り除いて、ぼかしを入れるように周りに馴染ませるという使い方もできます。やり方は、ちぎったねり消しゴムを丸め、少しだけ潰して饅頭のような形にし、消したい部分に軽く押しあてます。これによって、鉛筆だけでは出せない質感や濃淡を表現します。
ただ、ねり消しゴムを押しあてて使うため、紙に鉛筆の粉が擦り込まれてしまい、簡単には消せなくなってしまいます。また、慣れないうちは、ねり消しゴムを押し上げた部分に、消し跡がつくこともあります。
ねり消しゴムを思い通りに使いこなせるよう、何度も試して経験を積みましょう。