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美大受験を通してデッサンをやりこむことで、何か弊害はあるのかというお悩みについてお答えします。
美大への進学を希望している高校2年生です。
先生からは、美大を受験するなら基礎力を身につけるためにデッサンをとにかくやるように言われました。
私は個性的な絵を描くアーティストに憧れているんですが、デッサンばかりやっていたら無個性な絵しか描けなくなりそうで不安です。
美大受験を通してデッサンをやりこむことのデメリットってありますか?
見ているものを忠実に描くデッサンは、美大受験に限らず、絵を描くうえで重要な基礎になります。たとえるならデッサンは、家を建てる際の土台部分です。おしゃれで個性的な外観や内装にこだわったとしても、土台部分がしっかりしていないと家が傾いてしまい、思い描いていた家がカタチになりません。絵においても支える技術となるデッサン力が身についていないと、不自然な仕上がりになってしまいます。
特徴的な作品で評価されているピカソやゴッホといった有名な画家も最初はデッサンから勉強しており、身につけた基礎をどう応用するかが作家の個性につながると言えるでしょう。
そのほかにもデッサンを勉強しておいたほうがいい理由について、いくつか紹介します。
デッサンはモチーフをよく観察する必要があるため、デッサンを繰り返していくと観察力を鍛えられます。観察力が鍛えられるとモチーフに対して読み取れる情報量が多くなり、それを表現しようとすることで描く力のアップにもつながります。また、観察力は絵を描くときだけでなく、絵が上手い人の作品を鑑賞するときにも役立つスキルです。観察で得たものをお手本にして自身の作品に取り入れることで、表現力の幅を広げることもできます。
描きたいイメージは頭にあるのに、それをいざ描こうとすると絵に落とし込めないという経験をしたことがある方もいるはず。それは、描きたいものをカタチにするデッサン力が伴っていないためです。デッサンを繰り返していくとモチーフの構造を理解できるようになり、描きたいものをカタチにしやすくなります。また、陰影の付け方や明暗バランスの取り方を身につけることで、仕上がりのクオリティをアップできるのもポイントです。