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印象派の時代の後に、1880年から1910年代にフランスを中心に登場した画家たちがポスト印象派です。後期印象派とも呼ばれますが、決して印象派の画風を取っているのではありません。
抽象性や象徴性、自分の心情表現を重視したものが多く、むしろ脱印象派という傾向にあります。
そのため、ポスト印象派では、風景を見たまま描くのではなく、自分が見た感情を絵に乗せて描きあらわすことを主軸にしています。
ポスト印象派の多くは、若い頃に印象派の影響を受けてはいるものの、それ以外は特に共通する点がありません。印象派とは異なり、個々が独自の表現を追求しているのが特徴的です。
鮮やかな色彩や厚塗り、現代的なテーマなど、効果的に作品を表現するためにさまざまなスタイルを取り入れました。
セザンヌの代表作であるリンゴとオレンジ。普通の静止画に見えますが、実は静止画ではありません。描くときに少しずつ視点をずらし、さまざまな角度から眺めた対象物を1つのカンバスに構築する「構築主義」という技法がとられています。
日本でも人気のある画家のひとり、ゴッホもポスト印象派のひとりです。パリでふれた写実主義や印象派のほか、日本の浮世絵にも影響を受けたとされており、配色を学ぶために描いたとされる浮世絵の模写を多く残しています。画家としての生活は10年と短いですが、1,000点以上もの絵画を制作しました。
ゴッホの作風は大胆な色彩と、独特の激しいタッチで感情を表現するのが特徴です。世界的にも有名な1888年の作品「ひまわり」は、下記で紹介するゴーギャンとの友情をあらわした作品と言われています。
印象主義に対抗する「総合主義」と呼ばれる新しい絵画を生み出したと言われているのが、ポール・ゴーギャンです。
総合主義とは、はっきりとした輪郭線や鮮やかな色の平塗り、単純化した形が特徴で、反自然主義的な作風が特徴です。ゴーギャンが評価されたのは彼の死後でしたが、20世紀の絵画に大きな影響を与えたと言われています。