公開日: |更新日:
天然の粘土や鉱物を使って、陶器を製作するのが陶芸家の仕事です。土を捏ねて壺や器などを成型し、乾燥させて上薬を塗り、専用の窯で焼き上げ、作品を完成したら販売します。
作業する工程が多いため、「窯元」で他の陶芸家と共同で作業を行うことが多いです。もちろん、自分専用の窯を持っている陶芸家もいます。
土を捏ねてろくろを回して成型する作業では、「土こね3年、ろくろ3年」といわれるほど精密な技術が必要で、下積み時代は長くなります。手の器用さやセンスだけでなく、集中力を持続させて取り組める忍耐力が大切です。
陶芸家として作品を作り続けながら、カルチャーセンターや陶芸教室などで、講師を務めている人もいます。
大手の窯元に就職する場合の陶芸家の平均年収は、180〜240万円程度。年齢とともに年収もアップしていきますが、上限は大体300万円くらいです。
陶芸家の年収は実に幅が広く、無収入の人もいれば、有名な作家になって1,000万円以上を稼ぐ人もいます。
陶芸家として独立する場合は、毎月の収入も不安定ですが、作家として人気が出れば平均年収以上を稼げる可能性も秘めています。
陶芸が好きという気持ちを持っていることは大切ですが、他の陶芸家と差別化するために、オリジナリティがあることはとても重要です。陶芸家として成功できる可能性も、このオリジナリティの有無にかかっています。
そのため、芸術的なセンスを持っている人が陶芸家に向いていると言えるでしょう。
また大きな作品を制作する際は、数ヶ月あるいは数年かけて作り出すこともあります。そのため、コツコツと丁寧に作品作りに取り組める真面目な性格の人も、陶芸家に向いているでしょう。
陶芸家になるために学歴は関係ありません。特別な勉強をする必要もありませんが、陶芸について深く学びたい方や陶芸のほかにもいろいろな芸術を学び、新たなものづくりに取り組みたいといった方は、美大や専門学校で学ぶのがおすすめです。
ただ、学校で陶芸の基礎を学び、教員の指導を受けながら制作していくと、指導者や周りの学生たちと似たような作風になってしまうことも。知識や技術の習得に励みながら、オリジナリティを追求することにも意識を向けることが大切です。
陶芸家になるために必須となる資格はありません。
陶芸業界は、上質の焼き物を創作するための芸術的センスと高い技術が必要な、実力主義の業界です。積極的に制作に取り組み、実績を積むことが何よりも重要です。
陶芸家に必要なデザインセンスを磨くには、普段からたくさんの物に触れ、感性を高めることがポイントです。