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美大に進むにあたり文系・理系のどちらを選択するべきかという疑問にお答えします。
現在中学3年生で、将来的に美大受験を考えています。普通科へ進学するにあたり、高校のコース選択を文系・理系のどちらにすべきか悩んでいます。
美大受験においては実技試験がより重視されますが、当然学科試験もあります。しかし他の学部と比較して必要な科目数が少ないため、自分がより高得点を期待できる科目に絞って対策すれば問題ありません。
すでに「どの美大のどの学部に行く」というのが明確なのであれば、そこに合わせて文系・理系を決めるとよいでしょう。たとえば、東京の有名5美大でデザインやファイン系を学ぶのであれば、一般試験は国語と英語がメインになるので文系を選択するのがおすすめです。
また、建築系の学科に進むのであれば理系が一考できます。
センター試験が必須となる国立大学。東京藝大の一般入試では、センター試験のうち3教科3~4科目・600点満点の結果で判断されます。
そのうち、国語と外国語(+リスニング)が指定されており、残り1科目は選択制。地歴公民・政経などの社会科目を選択すると、学科試験対策を文系科目に絞れます。しかし、数理の2科目選択することはできないので、学科試験を念頭に高校では文系コースを選ぶのが良いでしょう。
建築学科などを除く一般的な美術学科の場合、入試は文系科目になるのが一般的です。そのため、早い段階から美大受験を考えている人は文系コースを選択するのがほとんどです。
しかし、実際に美術系の仕事をすると考えた場合、どちらが重要になるのでしょうか。
デザイナーや芸術家はプレゼンや売込みなどが必要となるため、話し上手の方が有利です。そのため文系の方が役に立つと考えられます。また、クライアントとのコミュニケーション能力や、古い芸術作品に古文が使われていることを考えると、語学もできた方が便利でしょう。
私大系を中心に、学科試験では文系科目の比重が大きいように見えますが、芸術の分野において理数系科目の知識が全く必要ないわけではありません。美術系の仕事では理科的なものの見方や発想力も必要不可欠です。入試があるために「文系」とか「理系」が重要視されますが、そもそも社会で必要とされるのは、どちらの分野においても平均的な知識がある人ではないでしょうか。
美術は両面性が求められる分野です。もし文系科目が苦手だったとしても、学科試験を難しく考える必要はありません。より自分が点数を伸ばせるように、得意なコースを選択するのもひとつの手です。