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美術について専門的に学ぶ時間が限られている普通科コース。そこから美大受験は不利?それとも有利?美大を目指す受験生のギモンに答えます。
中学受験のことで悩んでいる小学6年生です。
将来はデザイナーになりたいので、美大への進学を考えています。しかし現在志望している中学には美術科がなく、普通科のみ…。中学・高校が普通科でも、美大を目指せるのでしょうか?
また、普通科の高校から美大受験する場合、受験対策はどうすればよいのでしょうか?
実技の結果が重視される美大の試験。しかし大学によって配分は変わるものの、学科試験もあります。そのため美大に合格するには、学科対策も必要に。
実技対策は美術予備校に通うことが基本になりますが、すべての美術予備校で学科対策まで受けられるとは限りません。多くの美大受験生は、普通科の授業や独学で学科対策をします。そのため有名美大の合格者は、普通科卒業者がほとんど。
意外かもしれませんが、美大受験には普通学科の方が適しているのです。
ただし普通高校から美大を目指す場合は、早い段階から実技試験対策を始める必要がありますので、学校の授業以外での努力が求められます。
美術学科のある高校では、予備校に通える期間が「春・夏・冬休み」と、「高校3年生の冬以降」と限られており、早くからセンター試験に向けて切磋琢磨できる普通高校とは、一般的な受験対策においては温度差があるというのが現状です。美術高校では美術に特化した学習ができますが、その分受験に特化した学習は希薄になってしまいます。
そのため高校までは普通科で進学し、そこから美大を目指す方が効率的なのです。
普通高校から美大を目指す人の場合、学校の授業だけでは難しい「美大対策」を進めるために、できるだけ早いうちから美術予備校へ通学するのがおすすめです。どれだけ絵が上手いと言われている人でも、デッサンの基礎ができているとは限りません。デッサンとは美術における素振りのようなもの。やった数が力になります。美大受験を制する力を身につけるためには、経験豊富な講師から指導を受けられる美術予備校へ早い内から通うことが必要なのです。
どんな難関校も、中学生のうちから対策を始めていれば十分に時間が取れるため、現役合格も不可能ではないと言われています。
最難関の美大として知られる東京藝術大学の受験敗因の多くは、「実技試験の対策に十分な時間が取れていないこと」なのだそう。東京藝術大学の最難関学部の場合、現役合格できるのは全体の1割程度となっており、そのほとんどは中学生から実技試験対策をしています。
もちろん高校生になってから、あるいは高校3年生になってから美術予備校に通いはじめ、合格を果たした先輩たちもたくさんいます。しかし有名美大を目指している場合であれば、実技対策に早すぎるということはありません。早いうちから進路を決めたなら、早く行動したぶん有利になります。