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基礎力を身に付けるためのデッサン練習は、アナログとデジタルのどちらで行なったほうがいいかの悩みにお答えします。
現在高1で、将来はイラストレーターになりたいと思っています。
高校卒業後は、美術の専門学校か美大に進学する予定です。
美術の先生からは基礎力を身に付けるために、まずはデッサンの練習をするようにアドバイスされました。
私の目指しているイラストレーターはデジタルでの制作が主流なのでデジタルで絵が描けるようになりたいんですが、基礎力が付いていないうちはアナログでデッサンの練習をしたほうが良いのでしょうか?
デッサンの練習は、アナログとデジタルのどちらが良いのか教えていただきたいです。
美大に合格するための基礎力を身に付けたいのであれば、実技試験で求められるアナログでのデッサンの練習を優先するのが良いでしょう。なぜなら、美大の実技試験は簡単にやり直しのできないアナログでのデッサンを限られた試験時間内に仕上げなければいけないため、いくらでもやり直しのきくデジタルでの練習だと試験対策として十分とは言えないためです。
また、アナログで身に付けた基礎力はデジタルでも十分に応用できるので、デジタルが主流のイラストレーターを目指すうえでも遠回りな練習法ではありません。また、デジタルは便利な機能を使いこなせば実力以上に絵が上手く見えてしまうこともあり、自分の実力を勘違いしてしまう危険な一面も持ち合わせています。
そのため、高校在学中はアナログでのデッサン練習で受験に向けた基礎力を身に付け、進学後にデジタルで絵を描く練習をしてはどうでしょうか。
デッサンの練習をする場合、まずは消しゴムや空き缶など身近にある簡単なものを色々な方向から描いてみましょう。さまざまな方向から描く練習をすることで、観察力やデッサン力、描写力を磨くことができます。
また、描いた作品を必ず人に見てもらって感想を聞くことも重要です。絵に詳しくない人でも絵を見たときに違和感を覚えるかどうかの感覚は持っているので、まずは家族や友人などに見せてみるのも良いでしょう。また、SNSを有効活用して作品をアップするという方法もあります。
美大の実技試験の対策として具体的なアドバイスをもらいたい場合は、美大受験に特化した指導を受けられる美術予備校に通うのもおすすめです。
美大受験に向けたアナログでのデッサン練習は自分の好きなモチーフばかりを描くというわけにはいかないため、絵を描く楽しさを見失ったりモチベーションが低下したりする可能性があります。絵を描くスキルを上達させるには継続がカギになってくるので、趣味や息抜きとしてデジタルで絵を描く練習をするのは問題ありません。
デジタルソフトには色々な機能が搭載されており、アナログとは違った表現を楽しめるのが魅力です。「こんなこともできるんだ!」と絵を描く楽しさを取り戻すことができ、モチベーションの維持にもつなげられます。ただし、受験まではアナログでのデッサン練習を優先したほうが良いため、デジタルでの絵の練習に比重が偏らないように注意しましょう。