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デッサンが上手くなりたければ、観察力は必須です。ただ「よく見る」と言っても、見方が違えばデッサンに活かすことができません。観察力を鍛えるためにできることを紹介するので、日頃から訓練を積み重ねましょう。デッサン上達のための参考にしてみてください。
デッサンに観察力が必要なのは何故でしょうか。絵を描くにあたって、何を描くか、どの角度から描くかというのは大きなテーマです。
絵を描き始める以前に、対象物をあらゆる角度から見つめ、近づいたり遠ざかったり、触ったり臭いをかいだりして、とにかくよく観察します。
すると、今まで気づいていなかった発見があります。「こんなところに傷がある」「ここはこんな構造になっていたんだ」など、細かいところにいたるまで、発見の連続になるはずです。
この観察なしにいきなり絵を描き始めると、ただ輪郭をそのままなぞっただけのような、奥行きのない絵になってしまいます。
観察力を鍛え、向上させることで絵に立体感や奥行きが出て、狂いのないデッサンを描けるようになっていきます。
絵に描く部分だけでなく、対象物をさまざまな方向や近さから観察することで、デッサンの上達に繋がるでしょう。
観察力を鍛えるためには何をすればいいのでしょうか。観察の仕方や概念を紹介します。
デッサンをするには、その対象を知らなければ描くことができません。それが想像上のものや目の前にないものであっても、絵を描こうと思えば、対象を明確に思い浮かべる必要があります。
単純に「見る」だけでなく、細かいところまで注意深く観察し、大きさや奥行き、色や形、質感、他の対象物との対比など、あらゆる観点から対象を知り、理解することが大切なのです。
観察とは、視覚だけで行うものではありません。聴覚、嗅覚、触覚、味覚といった五感をフルに使って対象物からあらゆる情報を仕入れましょう。
触ったらザラザラする、叩いたら高い音がする、すっぱい味がするといった、一見絵を描くのに関係なさそうな観察でも、視覚だけでの観察より鮮明で実在感のある表現ができることに繋がります。
対象物を見る時に、それだけではなく他の物との位置関係や色、大きさなども細かく見ていきます。
高さや奥行き、重なり方など、あらゆる角度から位置関係を正しくとらえることで、デッサンにも活かされるようになります。
同じ色でも光の当たる場所と影ではかなり色が違うので、とにかく細かく対象との関係性を見ていきましょう。
絵を描く時だけでなく、日常生活でもいつも物事を観察する訓練をしましょう。あらゆる五感を使ってよく観察することで、それを描こうと思った時に、思い描くことができます。
日頃から観察のくせをつけておくことで、デッサンする時にも観察力を発揮できるようになっていきます。
観察力が向上することのメリットはなんでしょうか?デッサンに活かせることをあげてみます。
物の大きさや距離感、遠近感などが狂っていては、うまいデッサンとは言えません。美術大学での評価も、全体の形やパースが取れていないと得点には繋がらないのです。デッサンに狂いがあるということは、観察力が弱いと言えるでしょう。
観察力を鍛えることで、より狂いの少ないデッサンを描けるようになります。
写真や絵(2次元)を模写するのは、実際の対象を見て描くより簡単です。観察力が向上することによって、3次元である対象物を、2次元で表現する力がついてきます。
絵の技術で奥行きや立体を表現することはできますが、これらの技術は観察の末に模索して生まれた表現方法。自分の観察力を磨けば、技術だけに頼らない3次元の世界を、2次元で表現できるようになります。
デッサンの上達には観察力の向上が不可欠ということですね。同じ「見る」という行為でも、より深く細かく、五感を使って観察すると、狂いのないデッサンが描けるだけでなく、表現にも幅が出てくるということです。
観察力は、日常生活でいかようにも鍛えられるので、日頃から物事をよく観察するように心がけてみましょう。観察力が鍛えられると、デッサンにも反映されるようになっていきます。