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子供の成長に関わるだけでなく、大人の心を癒す仕事としても魅力を感じる方が多い絵本作家。ここでは、絵本作家の仕事内容や年収、学校選びなどについてご紹介します。
絵本の世界ではジャンルや年齢によって、さまざまな作品が誕生し続けています。文章を他の人が担当して絵だけを描く人と、絵と文の両方を手がける作家がいます。
0歳からを対象とした赤ちゃん向けの絵本では、ストーリーよりも音が出るものや布製、言葉の繰り返しなどを使う、コミュニケーションを重視した作品が主です。2〜4歳の幼児向けの絵本では生活習慣、4〜6歳向けの絵本では、ストーリー性が高い作品などが求められます。その他、仕掛けが飛び出す絵本や大人向けの絵本などがあります。それぞれのジャンルに合わせ、出版社や読者から求められる絵本を制作するのが、絵本作家の仕事です。
デザイン会社やキャラクター制作会社など、企業に就職している場合の絵本作家の平均年収は、300〜400万円。フリーランスの場合は、契約額や印税で収入が変わります。絵本は何百万部と爆発的に売れるケースは少ないため、フリーランスで生計を立てていくのはとても難しいと言われています。しかし、世界規模でベストセラーになれる可能性も、秘められている仕事です。その点では、夢のある職業と言えるでしょう。
また安定した収入を得にくいため、多くの絵本作家は、イラストや挿し絵の仕事もこなしています。
子供にウケる絵本を描くには、豊かな感性を持ち、些細なことにも感動でき、「子供が大好き」という気持ちを持っていることが大切です。絵本は日常から着想を得ることが多く、子育て中の主婦が絵本作家になるケースもあります。
絵の表現を学ぶには、美大や専門学校などへ進むのが一般的です。絵本は文章よりも絵の方が重要であり、ただ上手いだけでなく、子供が興味を示す絵を習得する必要があります。そのため、独学よりも絵の描き方や表現方法が体系的に学べる、美大や専門学校で学ぶのがおすすめです。
絵本作家になるために必須の資格はありませんが、絵を描くのに役立つ資格として、色彩検定があります。色彩心理や色彩調和などの知識や技術は、絵本を制作する上できっと役に立つでしょう。
また、デジタル絵本やイラストの依頼があった場合に備え、「Illustrator」や「Photoshop」の資格を取っておくことで、受けられる仕事が増えます。
以前はアナログでの制作が一般的だった絵本の世界も、デジタル出版という枠ができ、作家にも柔軟性が求められる時代になりました。絵本作家として生き残っていくためには、時代に合わせて柔軟性を身につけることも大切です。