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順調に描けていたはずのデッサンが、ある時期から急に上手くいかなくなる、いわゆる「スランプ」。美大受験生の多くが一度は経験する壁です。ここでは、美大受験でスランプに陥る原因の考え方と、そこから抜け出すために取り組みたいことを解説します。
美大のデザイン科を志望している高校3年生です。高校2年の春から美術予備校に通っています。
2年生のうちは自分でも上達を感じられていたのですが、3年生になってからは評価が上がらず、コンクールの順位も下がったままです。
「どう描けばいいのか分からない」という状態で手が止まってしまい、周りの受験生がどんどん上手くなっていくように見えて焦るばかりです。
本番まで時間がない中で、このスランプから抜け出す方法があれば教えてほしいです。
デッサンや専攻課題の力は、練習量に比例してまっすぐ伸びていくものではなく、伸びる時期と停滞する時期を繰り返しながら階段状に上がっていきます。つまりスランプは、上達が止まってしまったサインではなく、次の段階に上がる前の「踊り場」に立っている状態と考えられます。焦って描き方をすべて変えてしまう前に、以下のような整理をしてみましょう。
以前より下手になったと感じる原因の多くは、画力が落ちたことではなく、モチーフを観察する力や作品を見る目が先に育ったことにあります。自分の作品の粗さや歪みに気づけるようになったからこそ、頭の中の理想と実際の画面との差が大きく見えてしまうのです。
この段階で必要なのは、気づけるようになった部分を実際に描く技術へ変えていく作業です。まずは自分がどこに不満を感じているのかを言葉にして、直す対象をはっきりさせましょう。
スランプの原因は、構図の取り方や描き出しの手順といった技術的なつまずきと、周囲との比較や本番へのプレッシャーによる精神的な疲れに大きく分かれます。
技術的な問題であれば、苦手なモチーフだけを繰り返す、描き出しの30分だけを何度も練習するなど、課題を絞った練習が有効です。一方で、眠れない、描き始める前から気が重いといった状態が続いているのであれば、まずは睡眠時間を確保し、生活のリズムを整えることが先になります。
美術予備校に通っているなら、講評やコンクールの機会を使って講師に相談するのが近道です。「上手くいきません」と伝えるだけで終わらせず、「この課題のどこを直せば評価が上がるのか」「次の1枚で意識すべきことは何か」と具体的に質問しましょう。
第三者の視点で優先順位を示してもらえれば、闇雲に枚数を重ねる状態から抜け出せます。同じ時期を経験してきた講師や先輩に話を聞くだけでも、抱えている焦りは軽くなるものです。
スランプ中はモチベーションが下がりやすく、制作から距離を置きたくなります。しかし完全に手を止めてしまうと感覚が鈍り、元の状態に戻すまでに余計な時間がかかってしまいます。
思い切って休むと決めた日以外は、短時間のクロッキーや道具の手入れなど、負荷の軽いことでも制作に触れ続けましょう。停滞している時期に積み重ねた1枚が、抜け出した後の伸びにつながっていきます。