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テレビや映画、舞台演劇などの現場で活躍するセット造りのスペシャリスト。ここでは、美術スタッフの仕事内容から、年収、向いている人、スキル、学校選びなどについてご紹介します。
美術スタッフは映画やテレビ、舞台演劇に必要とされるセットや背景、大道具、小道具などをデザインし造り上げていくという仕事になります。多くの場合、映画監督や演出家のリスエストに応じ、求められる舞台美術の装置を設計し、実際に形にしていくというのが大きな役割。
そんな美術スタッフのなかでも、最上位の立場となるのが美術監督。文字通り、舞台美術の製作の責任者であり、全体を指揮する立場です。その下に美術助手や大道具係、小道具係、デザイナーなどがおり、経験を積みながら美術監督を目指すということになります。
一般的に美術スタッフは映画やテレビの制作会社や美術製作会社などに就職するという方式でキャリアをスタートさせます。初任給は15~20万円程度が目安。そこから経験や実績を重ねていくことで、給与をアップさせていくという方式となります。
とりわけ美術スタッフの上位職種である美術監督の立場になると、年収1,000万円というケースもあり得ます。ただし、製作する映画やドラマ、舞台の規模や予算によって左右されるという側面もあります。
美術スタッフは自からの発案で舞台美術を造り上げていくのではなく、映画監督や舞台演出家の要望を汲みながら、精巧に舞台装置やセットなどを仕上げていくのが役割。そのため、小道具ひとつとっても、真剣に真摯にモノづくりを行える資質が求められます。
また、分析力や判断力、教養といったものも求められます。例えば時代劇においても、鎌倉時代と江戸時代では、城や武家屋敷、街並みにも違いがあります。そうした面においても、しっかりとした考証ができるかが重要になります。
美術スタッフは映画やテレビの制作会社、美術製作会社などの社員としてキャリアをスタートさせるのが一般的です。そうした場合、新入社員の多くは美術系や芸術系の大学や専門学校の出身が多くを占めるという傾向になります。加えて映画やドラマなどのセットを手掛ける会社の場合は、映像系や放送技術系の専門学校卒業生も少なくありません。
美術スタッフには必要な資格がない代わりに、体力や忍耐力が求められます。言うまでもなく舞台装置というものがなければ、お芝居や撮影を始めることができず、スケジュール厳守が求められるためです。
その上で、モノ作りが好きであることや、美術監督を補佐しながら、演出家や照明、カメラマンなど、関係スタッフとのコミュニケーションを上手く取れるスキルも大切な要素と言えます。